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あれから半年と少し。
類が見つめる水平線には幾度となく陽が沈み、そして同じ数だけ昇った。
空と海は常に溶け合い、仲睦まじく色を変え、類の心のモノクロスクリーンに繰り返し繰り返し色を重ね続けた。
そんな類の様子を見守っていた医師ウィリアムの指示により、ニューヨークからは作曲の仕事が入るようになっていた。
テレビCM、他者への楽曲提供、映画音楽など様々だったが、これはすべてウィリアムとCRISISが考え出した言葉の要らないリハビリだった。
「さて、ルイ。
新規の仕事も入ったことだし、そろそろ始めてはどうだ?
夕食まではたっぷり4時間あるぞ?」
「はいはい。やりますよ~。
…ていうかさ。
ウィリーはいつからマネージャーになったんだ?
確かあんたは医者だよな?」
「最近は医者も大変なんだ。
二足のわらじを履かないとな、やっていけないんだよ」
「よく言うよ」
オーバーアクションで首をすくめた類がギターを膝に乗せ、そして、
「ありがとう、ウィリー。
感謝してるよ」
「わぉ。
明日はハリケーンでも来るんじゃないか?」
ウィリアムがテラスデッキから空を見上げる。
「あんたも素直じゃねぇな~」
「ルイにだけは言われたくないな」
2人が笑った。
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