ジンクス

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「おまえが時間にルーズなの、 説教してたらいくら時間があっても足りない。 いくぞ」 「……どこに?」 「黙ってついてこい」 「……はい」   足早に歩く奴に置いて行かれないように、 必死で歩く。 見えてきたのは私がデートを提案した公園。 きれいな桜並木を抜けると、噴水の前に出た。 私たちがその前に立ったとき、 近くの教会で結婚式でもやっているのか、 鐘が鳴り始めた。 舞い散る花びらの中、 奴は黙って私の手を取ると…… 左手の薬指に指環を嵌めた。 「これでおまえは、一生俺のもの」   ……いわれた意味を理解するまでに 数秒を要した。 「えっと、あの?」 「不服か?」
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