ジンクス

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「……ううん」   ニヤリ。 奴の片頬が上がる。 抱き寄せられて……人前だというのに キスされた。 キスしながら、 ここの公園のジンクスを思い出した。 「もしかして、ジンクスにあやかった? 教会の鐘が鳴ってるときに、 この噴水の前でプロポーズしたら上手くいく、 って」 「は?ジンクスなんてただの迷信だろ。 第一、 こんな時間に鐘が鳴ってたのはただの偶然だし」   ……そういいつつも。 奴の顔はほんのり赤い。 映画やショッピングを却下されたのは、 きっと時間に間に合わなくなるからだ。 待ち合わせの時間に遅れて苛々してたのも。 なんですか。 そんなにプロポーズ受けてもらえるか、 不安だったんですか。 もー、そんな可愛いとこ見せないでよ。
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