青流の長い1日

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          † 被害者たちには学園ギルドの部員に来てもらうことにしました。 部室の入口から入って直ぐ曲がった部屋に客室があった。 ──被害者アイシー・ケールの話。 「学校の渡り廊下で誰かとぶつかった後、携帯がなくなって……。 それで、先生に言ったら携帯だけ戻ってきたんだ」 「ストラップなくなっても問題ないんじゃ──」 青流の言葉に悲しそうに肩を落とすとブルブルと震え、何時しか泣き出してしまいました。 「そうなんだけど……死んだ叔母ぁちゃんから貰ったのだから………」 「そうか……」 こいつ婆ちゃんっ子か……。 ──被害者ルイ・メイリの話 「どんな蝋人形を自室に置いていたんだ?」 「……引かない……ですカ?」 「おそらく……」 そう、青流が話すとルイ・メイリは静にうつ向き── 「私、ある人を好きデ……蝋人形を作ってしまったんでス」 「作っ……」 「それデ、何時ものように人形を部屋で見テ、寝テ、起きたラ……無くなってたんでス!」 涙目になりながら勢いよく机に手を付、乗り越えんばかりに青流に近づいてきました。 「近い……」 ──被害者リ シュエメイの話し 「シャーペン?」 「はい、験担ぎで試験中はそれをずっと使っています」 「なくて困る?」 「いえ……でも調子と言いますか…気持ちの問題ですね」 「そうか………」 ハキハキと青流の質問に答えると、試験が近いのでと言って部屋を出ていきました。
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