青流の長い1日

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──被害者 板橋 美鶴子の話し 「えっと……手袋は……」 「まだ見つかってませんが無くなって困るものですか?」 「あ……えっと……その手袋私のではなく姉の手袋で勝手に借りたとわかったら何をされるか……」 そのまま泣き出した板橋美鶴子にどう返していいか分からなかった。 ──被害者 コンラート・ヒエタカンナ 「僕、あのヌイグルミが無いと寝れないんですよぉ」 「えっと……君は何歳か聞いていいかい?」 「7歳……」 青流は妙に納得した。 「ヌイグルミを取り戻すから、その間一人で寝れるように練習をしてみようか?」 「うん……」 ──被害者 ナンシー 「失敗した宝石必要?」 「いいえ、邪魔だったから持ってきてくれて助かったわ」 「届けを出したのは?」 「私は出してないわよ」 「はぁ?」 「紛失届けを出したのはリベル先生」 ──被害者 シャルロッテ 「起きたらねぇ~、部屋の扉の鍵がぁ空いていて~ビックリしたのぉ」 「そうですか……」 「それで~下着が盗まれてて慌てちゃったんだ~」 「………取り合えず話していただいてありがとうございました」             ‡ 青流はみんなの話を聞いた時、レコーダを回していたので、みんなが帰った後それを繰り返し聞いていました。 部室の扉が開くと両手にコーヒーを持ったスズナリが入ってきました。 そして青流の傍らにコーヒーを置いて一緒に聞きはじめます。 そして青流はスズナリが入れてくれたコーヒーを飲みながら、頭をかき、悩んでいました。 「何を悩んでいるんだ?」 コーヒー片手にスズナリは青流の手元の資料を取り、ペラペラと捲りながら訊ねた。 「この犯人何が目的なのか分からなすぎて………」 「目的か……確かに人から見て、ガラクタと思うものが多いな」 「ですよね……」 「物には意味が無いとかは?」 「物には意味がない?」 「あぁ……この犯人は名前でしりとりをしているだろ? だからと言うわけではないんだが、物の名前で何か出来ないだろうか?」 「なるほど……」
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