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シャルロッテはそう言い青流にタンスの中を見せました。
中には聖書と聖水、十字架などバンパイアらしからぬ物が収納されていました。
「これって……生徒会長の?」
「え~、私のじゃぁ~ないよぉ~」
「じゃぁ……これは?」
「聖水のぉその瓶~、リビアちゃんのかもぉ~」
「誰?」
「お友だちだよぉ~」
「預かった覚えは?」
「ないよぉ~」
「それじゃぁ……いつ……」
「それではローベルトの所に言ってみるか? 多分今なら部屋にいる」
「監視……いや、防犯カメラか……」
「私は~このまま部屋に~のこるねぇ」
‡
シャルロッテの隣の部屋を青流がノックをしました。
シャルロッテそっくりな男性が出てきました。
違いと言えば、揉み上げが黒くて長く、普通に断髪なくらいです。
「………何? 先生と……ヘタレ?」
「誰がヘタレだ!」
ローベルトは青流を指差しました。
「違うからな! 誰に教えられたんだ?」
「曽田京太に」
「あん野郎!!」
進みそうもない会話を横目にスズナリはローベルトに頼みました。
「ローベルト、あの防犯カメラの映像を見せてくれないだろうか?」
「………分かった」
青流とスズナリはローベルトの部屋に入りました。
中はシャルロッテの部屋はぬいぐるみに占拠されていましたが、ローベルトの場合は本でした。
本は天井高く積まれていて最低限の生活スペースが確保されているだけでした。
「……よく床が抜けないな………」
「ここは昔、宝部屋だったから抜けないように設計されてる」
「お城の最上階に宝部屋って可笑しくないか?」
「………あの人たちは宝が好きだったから……自分達の部屋の近くに部屋を作らせて眺めていたんだよ」
ローベルトは怒っているような、哀しんでいるような顔をしていました。
スズナリは何かを察して、ここに来た用件を話しました。
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