青流の長い1日

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それを聞くとローベルトはノートパソコンを持ってきて、立ち上げると、すらすらと操作しました。 「はい、出来た」 そう言うと青流とスズナリはローベルトの後ろに立ち画面を食い入るように見ました。 「昨晩のやつだな」 「うん、そうだよ」 「ちょっと変化が起こるまで早送りにできないか?」 「ん」 そう言い早送りをする。 深夜一時で1回、早送りを止めました。 「部屋の前に誰いるな」 「これは……リベル先生?」 「あぁ……よくロッティ、騒ぐから……隣の部屋を使ってるリベルが苦情を言いに行くんだよ」 「そんな深夜になにやってるんだよ、お前の姉は」 「……ハードロックを聞きながらシャウト?」 「普段はオペラみたいな曲を歌ってるのにな」 「そのうち喉を痛めるから辞めてほしい……」 「それじゃ、リベル先生の場所は早送りに」 早送りになり、リベルはシャルロッテに注意して去っていく姿が写し出されていました。 ……………… ………… …… 三時頃、見知らぬフード姿の女性がシャルロッテの部屋の前にやって来てごそごそと何かをしていました。 「こいつだな……」 「フードで顔の確認が出来ないな」 「あっ……ドアがあいた」 「すぐ出てきたな……赤い袋を持ってる」 「おっ! 急いでるせいでフードが取れた!」 その瞬間、画面を止めて顔をの確認をする。 「この学園の関係者出はなさそうだな」 画面には美しいブロンドの髪に人形の様な顔立ち、清んだ菖蒲色の瞳の女性が写し出されていました。 「驚いた……。 犯人は女性か……」 「ーっ!!」 しばらくすると画面が黒くなりローベルトの顔が写し出されました。 その顔はこの世のものではない何かを見たよう、恐怖している表情でした。 「どうしたんだ?」 スズナリがローベルトに声をかけると、ハッとして顔を横にふりました。 「何でもないです……」 「少し疲れたので休んでも良いですか?」 青流とスズナリは互いの顔を見て「あぁ」と返事をしました。 「画像と動画は後で持っていきます」 「それじゃ、俺たちは一旦ギルドに戻るから」 そう言いローベルト部屋を青流とスズナリは出ていきました。
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