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──さて、時間を戻して
童話に出てきそうな木の建物が学園首都の噴水広場の片隅にあった。
その建物は学園ギルドの部室だ。
部室の一つの部屋は色んな物が散らかっており、特にひどいのは棚から本が溢れ散らばっている。
その部屋の中にリベルから受け取った資料を見ながら頭を掻いている青流の姿がそこにあった。
ぺジーをめくると何かメモを取り、まためくってはメモを取る。
「やっぱり……この物取りおかしいぞ」
メモには被害者と取られたものと元々取られた物があった場所が書かれていた。
──メモの内容はこうだ。
アイシー・ケール (男)
狛犬のキーホルダーを渡り廊下で紛失。
ルイ・メイリ (女)
蝋燭人形を自室で紛失。
リ シュエメイ (女)
シャーペンを視聴覚教室で紛失。
板橋 美鶴子 (女)
手袋を美術教室で紛失。
コンラート・ヒエタカンナ (男)
ヤギのヌイグルミを自室で紛失。
ナンシー (女)
加工を失敗したルビーを加工教室で紛失。
シャルロッテ (女)
下着を自室で紛失。
──以上のものが全てだ。
「下らなすぎる……」
頭を抱えながら机にうつ伏せになった。
そう……この犯人は金目のを何一つ取っていない。
盗んだ相手の性別も男女関係が無い。
「この犯人…何を考えてるんだか……」
「……しりとりか?」
「うぁ!」
──ドサッ………
驚きのあまり椅子から滑り落ちた青流。
それもそのはずリベルの顔が青流の顔の近くに有ったのだ。
リベルが好きなヒトではない限り、喜んでその距離を保つものは居ないだろう。
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