第1章

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「いいわよ。責任取ってリューマの女になるから」 里奈は嬉しそうに微笑む。 そして片脚をそっとオレのヒザにかけた。 コイツ 悪気が全ったくないと、みた。 「辞めろって。」 オレはその脚を退ける。 「オレの女になるとかそんな問題じゃないっつーの。離婚の危機になってんだからな。 ミユキの前で土下座させるよ」 声に怒気を含ませると 里奈は一瞬寂しそうな表情をしてから、すぐに勝ち気な顔になり言葉を放った。 「リューマだって、キスされる隙与えたんだから一方的に私は悪くないわよ」 「…………」 そりゃ……そうだな。 里奈を責めるのは筋違いか。 オレってこんなんだから、 ミユキに三行半を突きつけられるんだよな。 自業自得な結果と言えばそうだけど あんなにアッサリ離婚を決断してしまうミユキもミユキで かなりムカつくんだけど。 簡単に縁を切ってしまえるミユキは 本当にオレの事を愛していてくれていたのか?と ミユキの心を疑ってしまう。 「話、戻すけど、ナオトに提案された事は受け入れないわ。」 「ブランド提携の事?」 「ええ。だから1000万もしっかり返したいの」 「ブランド提携……別にしてもいいんじゃないの? 何が問題なワケ?」 「経営者が3人絡み合うと面倒だと思ったの」 「相乗効果が期待出来るなら、別に悪い話じゃないと思うけど」 「そうなんだけど……、私は嫌なの」 なんで嫌なのか、里奈の真意が分からないけど 里奈が賛成できないのなら これ以上オレが言う事もない。
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