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「……すみません」
シートに座ってほっとしたのも束の間、
すぐに課長の冷たい声。
「普通こういう場合、
一度きてみるとか、最低でも
余裕を持って出てくるとかじゃないのか」
「……はい」
「それともなにか?
最近運動不足の俺を気遣って、
走らせようとしてくれたとか?」
「……いえ」
「まあおかげで?
気候もいいし、
軽く汗かくほど運動できたがな?」
ふっ。
酷薄な笑みに、
さっき汗をかいたのが嘘のように体が冷える。
「……すみません」
「罰として今日の昼飯、おまえの奢りな」
「……はい」
……あーあ。
とんだ出費だ。
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