グリンピース

5/10
前へ
/10ページ
次へ
「……すみません」   シートに座ってほっとしたのも束の間、 すぐに課長の冷たい声。 「普通こういう場合、 一度きてみるとか、最低でも 余裕を持って出てくるとかじゃないのか」 「……はい」 「それともなにか? 最近運動不足の俺を気遣って、 走らせようとしてくれたとか?」 「……いえ」 「まあおかげで? 気候もいいし、 軽く汗かくほど運動できたがな?」   ふっ。 酷薄な笑みに、 さっき汗をかいたのが嘘のように体が冷える。 「……すみません」 「罰として今日の昼飯、おまえの奢りな」 「……はい」   ……あーあ。 とんだ出費だ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加