グリンピース

7/10
前へ
/10ページ
次へ
……はい。 しっかり聞かせていただきました。 でも次の瞬間にはにこやかな顔に戻ってて。 こ、怖いです! 「じゃあこれ、食券使ってください」 「ありがとうございます」   食券を受け取って、エレベーターに乗る。 ドアが閉まって……後ろから、冷たい空気。 「せっかくおまえの奢りで、 ひつまぶしのつもりだったのに」 「あの……」 「変なところに力入れてるから、 みんな飯のことであたまがいっぱいで、 いいアイディアが出てこないんだよ」 「えっと……」 「くそっ」  チン。   エレベーターを降りて一歩前を歩く課長の顔は、 もう対外用のに変わってて。 ……ちょっと凄いな、とか思う。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加