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「もう!そんな言い方してませんよ
勝手に話こじらせていじけないで下さい
だいたい繊細なハートってどこにあるんですか?
私にはちょっとわかりませんけど?」
ニヤニヤしない様にまずは視線を逸らすと、手のひらに爪が食い込むくらい強く手を握るという荒修行を試みてみた
うっ、結構痛い……
でもこれなら大丈夫、痛みで気が紛れるから笑わずにいられそうだ
「……なんか最近の花音さ、俺に少し冷たいんじゃないか?
せっかくイベント終わって激務から開放されたって言うのにさ、何?大掃除!?
今日から待ちに待った休みだよ、初めての2人で過ごす年末年始だよ
クリスマスし損ねた分、今日は朝からたっぷり花音とあんな事やこんな事するつもりだったんだけど?
俺のこの盛り上がり、どうしてくれるんだよ……
夜までおあずけって、どんな焦らしプレイなんだよ……」
再びソファーにゴロンと寝転がり、最初の方は思いきり不満げに大声で、そして最後の方はモゴモゴと小声で呟いた
じ、焦らしプレイ……
全く何て事を言うんだ
プレイでも何でも無いわ
勝手にシモの世界に私を誘い込まないでよ……
下心しか感じられない千裕さんには少しお仕置きが必要かな……?
敢えて千裕さんの呟きには反応せずに、私は冷めた目でチラッと見ると
「さて、まずは寝室からやりますか」
と独り言を呟き掃除機を手に寝室へと向かった
「仕方ない、今日は花音に従うよ
その代わり夜は俺の好きな様にさせてもらうよ
フッ……ヤベ、想像したら楽しくなってきた」
……っ、何を想像してるのよ!?
……き、気にしない気にしない、気にするもんか
千裕さんが何を想像してるのかなんて考えたらダメだ……そうだよ、今は掃除に集中だ
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