番外編⑫ **ほんの少しだけ未来の話**

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「……ね、寝落ちしたら……?」 振り返らずに微かに窓に映っている千裕さんを見つめて聞き返した 「お仕置きだな」 千裕さんはさも当たり前の様にサラッ言ってのけると、何が楽しいのかクスッと小さく笑った 今振り向いたらダメだ、完全に取り込まれる…… 我慢だ、我慢……あと10秒待つんだ…… …………5、6、7……は…… 「反論はないって事だね?なら遠慮なく…… さて、今日はどんな風に花音を抱こうかな? フッ、夜までにゆっくり考えておくから楽しみにしてろよ まぁ、お仕置き希望なら寝落ちしてくれていいからな」 誰が希望なんてするもんか! 意地でもバッチリ起きててやる! 「ね、寝ません!絶対に起きてます!」 お仕置きなんて、以前は他人事だと思ってたのにな…… あれから3年半も経てば、私達も立派にそちらの世界に仲間入りを済ませていたのだ と言っても梓さんの彼氏さんの様に、わざわざグッズを揃えてのアブノーマルな感じではなく、健全なお仕置き まぁ……そりゃあ時にはネクタイの様な細長い紐状のもので手首を軽く縛られたり目隠しされたり…… ふ、服を着たままとか下着をつけたままとか…… あとはベッド以外の場所で……とか? も、もちろん室内だよ、外では絶対にないからね! あ、でも外でキスした事はあるけど…… 千裕さんの言うお仕置きはその程度のものだよ 前に例の女子会で打ち明けたらみんなにバカにされたくらいだもん 『そんなのお仕置きのうちに入らない』 『それはお仕置きじゃなくて御褒美じゃない』 なんて言われてさ…… でもそこでふと違和感を感じたんだ だってお仕置きイコールの梓さんと彩夏が言うならともかく、双葉さんまで一緒になって言ってたんだよね……
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