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「…………え?」
堂々と語られた理由のアホらしさ……あ、ヤバい、つい……
えっと……もとい!
堂々と語られた千裕さんにとっては正当な理由とやらに、思わず呆れて……じゃなくて驚いて顔を上げた
「ん?」
私と目が合うと何の後ろめたさも躊躇いも感じない、爽やかな笑顔で私を見つめ返してくる
……千裕さん、マジでポン助と張り合ってたんだ
お義母さんに「ちーちゃんはちっさいわね、犬相手にムキになっちゃって……フッ、バカじゃないの?」とよく言われていたが、正直何を犬相手にムキになってるんだろう?と不思議でしょうがなかったんだよね
でもお義母さんにそう言われるといつもムッとしてたから何か聞きにくくて……
ふぅ~ん、そうか、そういう事だったのか~
ふふ、ふふふふ……
ヤバい、何かおかしくなって来た
だってポン助に嫉妬するなんて……
いやいや、ポン助大好きだよ
すっごく可愛いし癒されるしいつでもギュウってしてたいって思うよ
でも……さすがにそれは犬のポン助への思いで、千裕さんとポン助を比べるなんて……
ないない、ないよ、さすがにそれはない
考えもしなかった、予測不可、全くのノーマーク、寝耳に水、もうね、千裕さんはいつでも私の範疇を超えて来ますね~
「どうした?
何か俺変な事言ったか?」
おまけに自覚なしか……
ふふ、私の事をよく自覚が足りないとか言うけど、千裕さんだって相当無自覚さんだよね
「クスッ……」
千裕さんがポン助に嫉妬して冷たくあたっていたかと今更ながらわかると、ジワジワとお腹の底から笑いが込み上げてくる
笑っちゃいけない……そう思えば思ううほど可笑しくてたまらなくなってくる
「おい花音、何がそんなに可笑しいんだよ
まぁ、笑った顔も可愛いから俺は得した気分だけど、他の奴らにも見られるからもうやめような」
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