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「コ、コホン!
え、えっと木、う、上杉さん!」
不謹慎にイチャコラしてる私達の後から、何とも申し訳なさそうな声が聞こえてきた
ハッとして慌てて振り返ると、そこには頭をポリポリしながらヘラヘラ笑った部長が立っていた
「す、スイマセン!
もう、か、帰りますから!」
は、恥ずかしい
イチャコラしてると思われちゃっただろうか
いや、きっとこの顔は思われてる
だってヘラヘラしてるもん……もう、やだ……
「えぇ~いいよ~そんなに急いで帰らなくても
木……う、上杉さんが帰っちゃったらつまんないじゃん、ほら、ここむさ苦しい男所帯だしさ~」
そう言うとまた頭をポリポリ掻いて笑った
だけどその時私の隣から『 チッ』と舌打ちが聞こえて来た
「花音が帰ったらつまんないとは聞き捨てならないですね
一体部長は何しに会社に来てるんですか?
今日1日仕事もろくにしないで花音見てヘラヘラと随分顔が緩みっぱなしでしたけど……?
ハァ……困りましたね、朝あれだけ忠告しておいたのに残念です」
残念です……って、千裕さん何言ってるの?
それにちょっと一言いいでしょうか?
えっと……会社に何しに来てるんですかって言葉、それ……千裕さんが言いますかね?
確かに千裕さん仕事してますけど、でもそうじゃないこともしてる様な気がするのは私だけですか?
「ね、花音
花音だってジロジロ見られて気持ち悪いよな
ほら、遠慮しないでガツンと言ってやれ、この薄らハゲのセクハラジジイって
言えないなら一緒に言って……」
「千裕さん!!
もう、何言ってるんですか!
私そんな事全然思ってないですよ
だって部長の事なんてちっとも見てなかったし、気にもしてませんでしたから」
そうだよ、全く眼中無かったから部長が私を見てヘラヘラとか言われてもわからないよ
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