番外編⑫ **ほんの少しだけ未来の話**

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「…………」 「…………」 あ、あれ?何で2人とも黙っちゃったの? 見れば千裕さんは今にも吹き出しそうだし、部長はなんだかシュンと悲しそうなんだけど…… 「……あの……どうかしましたか?」 2人の反応の違いに戸惑っていると、千裕さんの手がポンと頭の上に乗った 「花音、やれば出来るじゃないか そうやってハッキリ言ってやればいいよ、じゃないとわからないんだよ、こういう人は うんうん、そうだよな~ 部長なんて眼中無いもんな、わかるよ、うん」 え……千裕さんは何を言ってるんだ? ニコニコ顔の千裕さんをキョトンと見上げると、ヨシヨシと言いながら頭を撫で撫でしてくる 「わっ、千裕さん!だからこういうのは会社では良くないって言ってる……」 「何だ花音、照れてるのか? フッ、こんなのいつもしてる事だろ、今更恥ずかしがらなくてもいいんじゃないか?」 私の言うことなんて更々聞く気ないのか、千裕さんが途中で言葉を被せてくる もう!千裕さんのバカ! 後で……家に帰ったらきちんと話さなきゃ でもって会社ではくっつき禁止の約束してもらうんだから ジロッと恨めしそうに下から睨んでみたが、フッと鼻で笑われてしまう しかも鼻で笑うだけならまだしも、千裕さんはあろう事かそっと顔を近付け耳元に口を寄せた 「ダメだよ、花音のそんな可愛い顔、みんなに見せないで」 あのですね千裕さん…… みんなとか言う前に今、目の前に部長が居てですね、これ全部公開されちゃてるんですけど…… 恥ずかしいやら、くすぐったいやらでもう顔が上げられない だけど千裕さんの勢いは止まらない 真っ赤になって俯く私の耳元に、唇が触れるんじゃないかって距離で吐息混じりに囁いた 「そういういつまでも初々しいのも花音の魅力だよな だけど困るな、この場で押し倒して触れたくなって来る……」
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