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「却下するのは却下です!絶対に守ってもらいますから
じゃあ先に帰ってます、千裕さんはあと少し頑張って下さいね」
全く融通の利かない返事をすると、それを聞いてまた千裕さんがククッと笑った気がした
(ムムッ……まぁいいよ、千裕さんが何て言おうと絶対に守ってもらうルールを考えるからね
私には切り札のセリフだってあるんだから、いざとなったらそれを使ってやる!)
ちょうどその時エレベーターが到着し、私はそのまま乗り込むとクルッと振り返り千裕さんを見た
するとおそらく下まで送るつもりでいたのだろう千裕さんが、当然の様に一緒に乗り込もうとしてくる
だけどそれを手で制するとニコッとほほ笑みかけた
「大丈夫です、もうここで十分ですから千裕さんは仕事に戻って下さい」
そう言った私に一瞬エッ?という顔を見せたが
「いや、下まで送るよ」
と、サラッと流されてしまう
やっぱり……
もうどこまで過保護なのよ
そんなにベタベタしてたらみんなのいい笑い者になっちゃうよ
「いいえ、1人で大丈夫です
こんな時間もったいないですよ
私を送る時間があるなら、その分仕事を早く終わらせて少しでも早く帰って来てくれる方が私は嬉しいです」
あ、『私は』じゃなくて『私も柊も』だった
……ま、いっか、別にそこはどうでもいいよ
それより……明るくサラッと言ってみたが、さて、千裕さんには通用するだろうか……?
チラッと目線だけを向けてみると、あ……あれ?どうしたんだろう、千裕さんの顔が少し赤い様な……
どうかしたのかと気になりじっと千裕さんを見つめていると……え、何で?何故か不自然に目を逸らされてしまったではないか
一体どうしちゃったの
トイレかなんか我慢してる……とか?
って、それは無いか、ハハ……
気のせいだよ、気のせい気のせい
さて、マジで帰りましょう
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