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廊下の端まで来ると重い非常扉を開け外へと出た
ここは駅へと向かう道が一望出来る場所で、俺は花音が仕事を辞める前、一緒に帰れない時なんかはよくここで1人駅へ向かう花音を見送っていた
もちろん、俺がここから見てるなんて花音は知らなかっただろうな
花音の後ろ姿を見つめながら、よしサッサと片付けて早く家に帰ろう!
帰ったら花音にあんな事やこんな事……って考えながらニヤニヤしてたっけ……
……って、改めて言葉にするとやっぱり俺ってヤバい奴だな、我ながら気持ち悪い
俺の人生は花音と出会って大きく変わった
今まで知らなかった事を花音が俺に教えてくれて与えてくれた
花音との出会いがなければ、今でも俺は過去の恋愛を理由に恋もせずにダラダラとつまんない人生を送っていたんだろうな……
俺にとって花音と柊はかけがえのないもの
命に変えても大切に守りたいと思うもの
だけども俺が死んでしまったらきっと花音も柊も悲しむし、何より俺が寂しくてたまらない
あの世でやさぐれて問題児になる事は目に見えてる
だから俺は死なない、命に変えても守りたいと言うのは本当だけど、花音と柊を守ってそして自分の身も守る
みんなで生きてこの先もずっと一緒に笑っていたい
欲張りだろうが知ったこっちゃない
俺がそうしたいんだから絶対にそうする
その為の努力ならいくらだってするよ
ずっと一緒にいられるのなら何だって出来る
……ふと、さっきの花音を思い出していた
「千裕さんがいないと寂しくてたまらないの、だから少しでも早く帰って来てくれたら私は嬉しい……」
ちょっと違う様な気もしないでもないが、いや、こんな感じだったよな(違います、半分は願望です!)
まぁ、前半部分の脚色はあったとしても後半部分は確かに言ってた、嘘じゃない
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