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「ただいま~」
千裕さんの実家に着き玄関のドアを開けると……
カチャカチャッと爪の音を響かせまず一番に出迎えてくれたのはポン助だった
リビングから凄い勢いで飛び出してくると脇目も振らずに私の元へと走ってくる
フローリングで爪が滑るらしく、途中で何回かズルッとコケながらも嬉しそうに駆け寄ってくる姿に何故だかウルっとしてしまう
まるで笑ってるかの様に舌を出し、シッポは千切れちゃうよー!ってくらいにブンブン振って、私の元に辿り着くと足元でピョンピョンとジャンプして「抱っこしてぇ~」を笑顔でアピール
「ポン助ただいま」
そう言って抱き上げると、ほっぺに熱~いキスの嵐
あまりの熱烈歓迎ぶりに思わず条件反射で辺りをキョロキョロ確認……
そうだった……よかった~千裕さんは居なかったんだよね
こんなのもし千裕さんが見たらまたポン助いじめられちゃう
そう言えば最近ポン助とのこういう触れ合いってあまりなかったんだよね
いつもポン助は柊が独り占めしてたし、ポン助も飽きずに柊と遊んでくれてたし……
実はちょっと寂しかったんだよね~
あ~これこれ
この毛のモフモフ感や、お日様の匂いに混じってちょっとだけ埃っぽい匂いがするところ、心までジーンと染み渡る様な温かさ……
柊もそうだけど、もう無条件に愛しい
ぎゅうと抱きしめてずっとスリスリしていたいよ
千裕さんがいないのをいいことに久々のポン助との熱い抱擁に暫し浸っていると、遅ればせながら第二の出迎えの声がかかった
「ちゃ~ちゃん、おかいり~」
そう言って現れたのはこれまた愛しい我が子
「柊、ただいま~」
ニッコリ笑って言うと、柊もニコニコの笑顔を返してくれたが、だけど私がポン助を抱っこしてるのを見て急に悲しそうな顔になった
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