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「ただいま、ごめん遅くなった」
す、凄い……
何でわかったんだろう、私全然わからなかったのに
柊ったらポン助とばっかり一緒にいるから、聴覚まで似てきちゃったとか……?
「ん……?どうかしたのか……」
呆気に取られている私に千裕さんが心配そうに声をかけてくる
そして眠そうな柊を抱いて浴室のドアの前にいる私を見て、瞬時に状況を判断したらしく柔らかい笑みを浮かべて言った
「よかった、間に合って……
ごめんな、連絡すれば良かったのにスマホの電池切れちゃって……」
そう言って私達の元まで来るとヒョイと片手で柊を抱き上げた
もう片方の手で私の頭をポンポンと撫でると、柊とおでこをコツンと合わせてニッコリ笑いかけた
「柊ごめんな、遅くなっちゃって
疲れて眠くなっちゃったよな、すぐだからお父さんとお風呂に入ろうな
花音、このまま入れちゃうから悪いけど俺の着替え頼んでもいいか?」
千裕さんだって疲れてるだろうに、いつだってイヤな顔ひとつせずに私を助けてくれる
時々変態になるけど、それを差し引いてもお釣りがくるほど良き夫、良き父……そう、千裕さんは世界一、いや宇宙一素敵な最高の旦那様です
それに、ここだけの話ね、私……千裕さんならどんな千裕さんも大好きだよ
たまにちょっとおかしくても変態っぽくても、カッコ悪くたって構わない、だってそれも含めて千裕さんなんだから……
私はこれからも毎日千裕さんに恋をして行くだろう
そして『好き』がどんどん積もって行っちゃうんだ……
ねぇ千裕さん
どうかお願い、そんな私の『好き』の気持ち、ちゃんと受け止めて下さいね
千裕さんと柊と私……
そして、もしかしたらこの先巡り会えるかもしれない私達の新しい家族と共に、ずっと一緒に並んで歩いて行こうね、約束だよ
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