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千裕さんと柊を温かい目で見つめながら、ほっこりとした幸せに浸っていると
「何だ?花音も一緒に入りたいのか?」
と、私を見ながら千裕さんがニヤリと怪しく笑いかけてくる
「なっ!そ、そんな訳ないじゃないですか!」
何を突拍子もないな事を言い出すのよ
ビックリして千裕さんを見上げると、何故か艶めいた顔で私を見つめ返し、そして口角をキュッと上げて微笑んでいた
「な、なによ……」
こういう顔する時の千裕さんは、今までの統計上ほぼろくな事を考えていないと決まっている
今回だって例外じゃない、これは絶対よからぬ事を企んでるに違いない
いいか、その手にのるもんか!
悪魔の囁きに屈するな、負けるな、自分をしっかり持つんだ!
すると、ほら案の定顔を近付けて私の耳元に口を寄せて来て……
そしてこう言ったんだ
「俺も花音と一緒に入りたいけど、今は我慢するよ
だって花音がいたら俺普通でいられる自信全くないからな
柊を放ったらかしで花音にイタズラしまくるって絶対に言いきれる自信がある!」
…………なに……?
どうしてそんな恥ずかしい事を堂々と、しかも思いっきりドヤ顔で言ってるの
そう思ったけど最早何も言うまい
だって墓穴を掘るに決まってるんだもん
「わ、私は後で入りますから
どうぞ千裕さんと柊で入ってきて下さい
じゃ、着替え用意してきますね、よろしくお願いします」
動揺を悟られない様に出来るだけ無表情でそう答えると、クスッと小さな笑い声が聞こえた
「大丈夫、柊を寝かしつけた後で花音の事も俺が風呂にいれてやるから
ちゃ~んと隅々まで丁寧に全身を使って綺麗にしてやるからな、待ってろよ」
そう耳元に楽しげな声を残し2人は浴室へと消えて行った
……や、やっぱり千裕さんは真性の変態さんだよ!
もう知らない、無視しちゃうもんね
だけどそんな言葉とは裏腹に、洗面所での2人の楽しそうな声を背に私は温かい気持ちに包まれながらリビングへと戻った
これからもずっとこの幸せが続きます様に……
*** 終わり***
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