最悪の日

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彼が博多に行ってからは、ほとんど毎晩の様に電話やメールのやり取りをかかさなかった まとまった休みには私が博多に行ったり、彼が戻ってきたり…… それでもやはり遠距離は寂しい…… 普段いて当たり前だった人がいない寂しさは心にポッカリ穴が空いてしまった様だった 一人寝の夜は辛くて寂しくてどうしようもなく恋しくて、そんな時は彼の部屋着や彼専用のクッションを握りしめて一緒に眠った 仕事をしている時はまだ忙しさにかまけて忘れていられるが、家に帰ってくると途端に彼の温もりに触れたくて胸がぎゅっと締め付けられる思いだった でも、一年後の結婚の約束があったから何もかも頑張れたんだ なのに、何故だ? 今賢人は何て言ったんだ……? 『別れて下さい』って聞こえた様な気がしたけど…… 私の耳、おかしくなった? 「ごめん、ちょっとよくわからなかったからもう一回言ってもらえるかな」 そう言った私に賢人が悲しそうに顔を歪める ちょっと待ってよ、何で賢人が悲しそうなのよ……どう考えても私の方が悲劇真っ只中って感じですけど? 「花音……すまない、訳は聞かずに別れてくれないか………」 「…………」 訳も聞かずに別れてくれ……? 何ソレ…… これは、夢……? 私、今夢見てるの……? あーそうか……夢ね、うんうん夢だよ、夢 …………じゃないみたいね 「……どう、して……? どうして別れなきゃいけないの 約束したじゃない……戻ってきたら結婚しようって…… ねぇ、何で?私、何かした!? 私の事もう嫌いになったの!? それとも誰か他に好きな人、出来たの!?」
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