幸せになるために

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そんな言い伝えを信じていた結果、汚部屋の住人になってしまったなんて…… そんなふざけた言い伝え、クソくらえです!断固阻止です! 必ずや千裕さんを正しい道へと導いてみせます! 「花音さん? 随分と張り切ってますけど、一体この家のどこを大掃除するんですか? 俺には1箇所たりとも該当する場所が思いつかないが…… 掃除ばっかりしてると可愛げがなくなるよ、もっと他の事にも目を向けなきゃ たった一度の人生なんだから、掃除なんかより楽しい事山ほどあるでしょ」 何となくムカつく言いっぷりとジェスチャーに、思わずムッと睨みつけた 「と言うことで掃除はやめて、やっと2人きりでゆっくり出来るんだから、今日はたくさん愛を育もうよ」 満面の笑みで語られた言葉に、ハァ……と呆れた様に小さく溜息をついた 「今日は掃除をします、絶対にします 前から気になってた所がたくさんあるんです! 元汚部屋出身の方には分からないかも知れませんが……」 だけど、私のイヤミにも全く動じる気配はない 「ハハッ、元汚部屋出身って……花音面白い事言うな、なんだか相撲部屋の力士みたいじゃん だけどさ、そんなに気合い入ってるの? どうしてもやるの?」 (……しつこい!) 「やります!! って言うか、私一人で大丈夫ですから千裕さんはゆっくりしてて下さい なんならどっかに行ってきてもいいですよ」 突き放す様な私の言い方に、千裕さんがガバッと起き上がった 「…………えっ!お、俺だってやるよ 花音と一緒なら喜んでやっちゃうよ だからどっかに行ってしまえ!とか過激な発言は、俺の繊細なハートが傷つくからやめてくれ……」 ショボンと肩を落として寂しそうに呟く千裕さんに、私は必死に笑いを堪える
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