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「きゃ~!やだぁ、素敵!上杉さんカッコイイ!
やっぱりナイスガイ、いい男は何をしても様になるわ~」
「……チッ!
ここでそう来んのかよ……」
暫しの沈黙の後、おばちゃんは少女の様にうっとりと顔の前で両手を握りしめて喜び、りっちゃんはまさかの舌打ちと投げやりな言葉をボソッ呟いた
私は2人の様子を見ながら放心状態……
今って……えっと……一体……
何が起きたんだ……?
『娘さんを下さい』
……えっと、娘さんって誰?
この人の娘さんって事?
……だよね、それしかないよね?
まさか全然知らない町娘とかじゃないよね?
って、町娘っていつの時代だよ
えっとえっと……つまり『娘さん』とは私の事?
ちょっと今ちゃんと聞いてなかったからよくわからないよ
だってそんな事より……
その前に千裕さんが……
そこまで思い出しかけて一気に顔が火を吹いた様に熱くなる
さっきのあれって……も、もしかしてプロポーズ……だったのかな……?
私……もしかして千裕さんにプロポーズ、されちゃったの……?
今頃になってドキドキドキドキと心臓が尋常じゃない早さで動き出した
こ、これ何だ……く、苦しい……
いつもの倍はあるんじゃないかってくらい脈拍が早い
し、死ぬ……
このままいったら死ぬ
……私の人生ここで終わり?
……ヤダ!絶対にヤダ!
そんなの絶対にダメ!
死んで堪るか、これからもっともっと千裕さんとたくさん楽しい人生送るんだから
だけどこの状態は……
ふと周りを見回すと嬉しそうにニコニコしているおばちゃんと目が合った
「あら花音ちゃん可愛い、真っ赤になっちゃって
ふふ、よかったわね、おめでとう」
・・・・・・へ?
「お、おめでとう……?」
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