第三章 メラル

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目下子供達の間で大ブームらしいプロレスとは名ばかりの総合格闘技。 七人の子供達を同時にたった一人、それも腕一本であしらうチャンピオンがそこにはいた。 ていうかライラだった。 実は子供好きだった……なんてことは一切なく意外とこれはこれで訓練になるらしく、多方向からの敵を同時に捌けるだけの視野の広さが身に付くらしい。 実際、超真剣だった。 子供相手に一切の手加減なし。 (でもこれで子供達に人気はあるんだよなぁ。あの仏頂面の何処に好かれる要素があるのか全く分からんが) 「だー!!勝てねぇ!!こうなったら秘密兵器を投入するぞ!!」 「だね!!」 「……形振り構わず」 連敗に次ぐ連敗でさすがに子供達もさすがに学習したらしい。 時に子供の自由な発想は大人を驚かせることもあるが、今回の策は人数を増やすという単純なものでしかなかった。 メンバー増員。 ていうか優斗だった。 「いやいやいや。これはさすがに戦力比的に釣り合いが取れてないだろう」 「私は別に構わない」 「構わないってお前なぁ……」 「子供が一人増えたところで問題はない」
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