第三章 メラル

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(腕力だけでいったらミノタウロスと同等かそれ以上……最悪ね) この手の敵はライラが今一番戦いたくない相手だ。 筋力に秀でたクリーチャーはそれを支える強靭な体があって初めてその力を遺憾なく発揮する。 ライラは己の魔装をバランス重視で考案したが、雷煌天衣はそもそも勝つことに重きを置いていない。 大前提に生き残るという強い意思があった。 魔装を纏った打撃もレベルが上がり引き出せる魔力の総量が増えれば、いずれはミノタウロスのような相手にも有効打となりえる強烈な一撃を叩き込める完璧な魔装と呼べるまでに進化するかもしれない。 だが今のライラには勿論それは不可能だ。 以上の理由からキュクロープスは考えうる限り最悪の相性だった。 飛んできた家を避けたライラは一気に加速していった。 最高速度を拳に乗せた一撃を放った。 これでダメージが皆無なようならいきなり追い込まれる。 出来ればそうならないよう願いながら繰り出した拳は無情にも砕け散るかと思った。 (硬すぎる!!それに……近くでみるとずっと大きい!!)
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