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しかしライラや優斗はまだ本来予定されていたプログラムを三分の一も修了できていない。
それで問題はないはずだった。
誰が予想出来ただろうか。
人類の夢とまで言われた『レベル8』の領域へと若干十六歳の少女が踏み込もうなどと。
(あ、れ?)
ライラの足は突然動作不良を起こした機械のようにその機能を停止させていた。
ストンと膝から崩れ落ちた足はもう脳から送られてくる命令を受け取ろうとはしてくれない。
覆い被さる巨人の影に俯いていたライラは顔を上げた。
両の指を組み合わせて元々巨大な拳をさらに巨大な一つの拳にして振りかぶったキュクロープスを成す術なく見上げる事しかできない。
生命線であった足を封じられ今やライラの命は風前の灯。
「どうせ動けないのならッ!!」
言葉に動揺はなく、恐怖はなく、諦めた様子もない。
ライラが無理やり動かしたのはまだ完治しきっていない左腕。
左手で右手首をホールドし右拳をクリーチャーへと突き出して構える。
ハンマーのように振り下ろされたキュクロープスの拳とライラが放った雷煌砲がぶつかりーー直後、炸裂した光の奔流に全てが包まれた。
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