第三章 メラル

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ライラは咲が動き出すと同時に、準備を始めており、それはもう完了している。 「雷煌砲!!」 正しく大砲のような轟音を響かせて、ライラの放った一撃はクリーチャーを飲み込んだ。 そのまま三つほど民家をぶち抜いたところで雷煌砲は儚い粒子となって霧散していく。 咲がばらまいた小型爆弾とは威力の桁がまるで違う。 しかしリスクはあるようで、ライラが纏っていた光の衣はほとんど消えかかっていた。 相当エネルギーを消耗するからこその決め技。 その破壊力は勿論だが、何より咲を驚かせたのはライラの戦闘における天才的な才能だ。 初見で咲の実力と戦い方を把握して戦術に組み込む。 さらにこれ以上はないと断言できる最高のタイミングで最高の一撃を誰も巻き込むことなく放ってみせた。 初めて共闘した三人が阿吽の呼吸で伸び伸び戦えているのはライラが優斗と咲をコントロールしてくれているからだ。 しかしそのライラは冴えない表情をしていた。 「すいません。多分仕留め損ないました」 「前より威力落ちてないか?」
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