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だが立ち向かうように、一緒に戦うと言外に宣言するようにライラは優斗の隣に立つ。
「目的は何?どうして私を狙うの?裏でこそこそ動いてることはもう分かってる。導きの光って何!?」
聞き慣れないワードに優斗は一瞬怪訝な表情を隣に向ける。
対象的に保坂からはあの嫌味ったらしい笑みの上に驚愕が上書きされていた。
「どういうことだ。僕の知らないところで誰かが動いている……いや、そんなはずはない。考えられるとすれば……」
勝手に一人で自己完結させた保坂はまた元のーー教師ではなく敵ーー保坂に戻っていた。
「実を言うと、今日は影宮君に会いにきたんだ。もっともその目的は抹殺だった訳だが」
「じゃあお前の狙いは……俺、なのか?」
自分にそこまでの価値があるとは思えない。
その予想はやはり当たっていた。
「いいや。そうではない。だから途中式は重要なのだよ。同じ結論に辿り着くにしろそこに至るまでの課程が違えば帯びる意味合いはガラリと変わるのだから」
「取るに足らないと思っていた一生徒があなたの予想を上回って成長している。どんな計画や目的があるのかは知らないけれど……邪魔になってきたからという理由だけで殺させない」
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