第三章 メラル

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落雷地点にはスタンガンの電力を何百倍にも違法改造したような警棒を突き刺している咲が優斗達を守るように降り立っていた。 これが漫画なら窮地に必ず駆けつけてくれる主人公のような絶妙なタイミング。 その背中は昔と変わらず頼もしい。 「君に会うつもりはなかったのだがね。しかしこうして再会してしまったからには社交辞令だけはかわしておこうか。久しぶりだな、影宮咲君」 「自分のクラスの生徒でもない上に早々にドロップアウトした生徒のことを覚えているとは意外だな」 「それは咲君が学校を辞めてしまったと聞いて一番残念に思っていたからだな。いや、アレは本当に残念だった。友人を三人も目の前で失った被害者の生の声を是非とも生徒達に聞かせてやりたかった」 「保坂あああああ!!!!!!」 まだ古傷にすらなっていない生傷を抉った保坂に激高する咲。 地面を擦るように振り上げた炎刑に炎が点り、感情のままに振るう。 だが保坂は咲の手首を掴んで難なく炎刑を止める。 まるで優斗が咲を止めた時の再現のような構図だが、あの時とは咲の本気度が違う。 今優斗が同じことをやれと言われても間違いなく失敗するだろう。
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