第三章 メラル

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「さすが咲姉!分かってんじゃん。ミノタウロスには左腕の借りがあるからな」 「どうして嬉しそうなのよ。敵の強さ以上にあなた自分の弱さを理解してる?」 「でも今度はお前がいる。一人じゃ無理でも力を合わせれば何とかなるさ……それに、あの時とは俺も違う」 「……まぁいざとなったら逃げるわ。一度は逃げ切れてる訳だし」 「悪いが頼めるか?聞いての通り少しばかりうちの弟は頭が悪い。高坂が側でフォローしてやってくれると助かる」 「別に構いません。不本意ながら振り回されるのには慣れてるので」 「……お前こそ自分の身勝手さが分かってないんじゃねぇの?」 額をぶつけ合っていがみ合う優斗達を嘆息しながら咲が引き剥がして言う。 「仲良くしろとまでは言わないが、せめて協力はしろ。新東京に入れば私はお前達のフォローには回れないんだ」 「そういえば咲姉はどうすんの?」 「私は敵を減らしつつ、平行して保坂を探す」 「探すって……仮に見つけたらどうすんだよ。まさか一人で戦うつもりか?」 「そうなるだろうな」 「無茶だ!!」
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