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「私は背負う人間が一人増えようが問題ないわよ」
「どの道早いか遅いかの違いだけだ。焦る必要はない」
「ま、あなたがそう言うのなら私に異論はないからいいけど。てことらしいわよ。良かったわね、お嬢ちゃん」
リラルダの視線の先にはボロボロになりながらお互いに肩を貸し合うライラと明日花の姿があった。
そのライラは既に塞がりつつあるリラルダの傷口を観察しながら口を開く。
「あなた達は一体何者なの」
「いずれ嫌でも分かるさ。高坂君は必ず僕達の元へ来ることになるからね」
「ライラは誰のものでもねぇが、お前にだけは死んでも渡さねぇ」
己の中に返っていく第二能力に圧迫され、苦悶の表情を浮かべながらも、強い意思を宿した教え子を一瞥した後保坂はリラルダに合図を送り、大きく優斗達から離れるように距離を取った。
次に優斗と合間見える時は教え子と教師という立場ではなく、対等で、全力を持って排除すべき敵となっている確信を抱きながら保坂は新東京から撤退していく。
「……リラルダ。僕はこの後少し眠るが、"ファースト"や"セカンド"の動きには目を光らせておけ」
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