―プロローグ―

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やがて機体は減速し、数分後にはゆっくりとした動きになり、完全に停止すると同時にアナウンスが流れた。 …ふぅ。…っと、よし。 ベルトサインが消えたので、俺はベルトを外してすっと立ち上がった。 『本日は、当機にご搭乗いただき、誠にありがとうございました。 お降りの際は、足元、手荷物のお忘れ等に、十分お気を付け下さい』 最後のアナウンスが終わり、他の乗客達が次々と通路に出始めたので、俺もその流れに入る。 「誠にありがとうございました」 「こちらこそ」 客室乗務員の見送りに、笑顔でそう返し、空港へと歩みを進める。 …さてと、先ずは荷物だな。 歩く速さを緩めずに、俺は受取所へと向かった―。
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