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―…もうすぐだけど、来ないな…。
柱時計の前に設けられた椅子に腰を掛けながら、俺は少しずつ焦り始めていた。
迎えに来るはずの叔父さんが、一向に姿を現さないのである。
むー、どうしよ?
「あの…」
困り果てていたその時、前の方から声をかけられたので、そちらを振り向くと…。
朱色のポニーテールに、白のブラウスに茶色のフレアスカートを合せた年上の女性が、こちらを覗き込んでいた。
「…えっと、何か?」
「ああ、えっと、岡島進くん…だよね?」
!?
その女性は初対面にも関わらず、俺の名前を呼んできた。
「…なんで、俺の名前を…」
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