―プロローグ―

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驚く俺に、女性は一瞬憂いを見せるが、直ぐに微笑みを浮かべ、肩にかけた小さなバックからケータイを取り出し、待ち受け画面を見せてきた。 「…それは、私があなたの従姉弟だからよ」 待ち受けに写っていたのは、桜をバックに満面の笑みを浮かべた、叔父さんと目の前にいる女性だった。 「私は、京野眞子(きょうのまこ)。 よろしくね、進くん」 眞子さんは、名乗りながら右手を差し出してきた。 「(この人が…)こちらこそ、よろしくお願いします。 えっと…、眞子姉さん」 「……」 あ…。やっぱいきなりだったかな…。 俺の返しに、眞子さんは目を見開き、息を飲んでいた。 「す…すいませ「ううん」…え」
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