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ある時一匹の怪物が生まれた
死を持たない怪物
いつも自分の存在について考えて
生まれた理由をしりたがる
そんな怪物は人を見てる
簡単に死ぬ人間を見て笑う
なんて弱いものなのだ
怪物は人間のことを知りたくて
死にかけていた若い女を喰った
そして人間の一部を手に入れた
怪物は心を得た
たくさんの感情を手にした
そして寂しさに苦しんだ
ある時怪物は一人の男に恋をした
幾夜も眠れぬ夜を過ごした
恋は心に毒のように広がり苦しめる
幾度と涙を流した
そして怪物は男に近づいた
男と仲良くなり
そして恋し合った
愛し合った
男は村の者に暴力を受けた
怪物は怒りを覚えた
そんな怪物を男は慰めた
そして誰も近寄らぬ地で過ごした
怪物と男との間に命が産まれた
幸せな毎日を過ごす
ある時怪物は気づく
男は年を取っていく
怪物は思い出す
人間の命の有限に
怪物は旅に出る
男を不老不死にする方法を
探すために
何年もかけて探した
そして見つけた
その知識を手に入れて帰った
その時には男はいなかった
家の中には子供だけ
家の外には男の墓
怪物は気づく
遅かったことに
怪物は泣いた
自分の愚かさを嘆いた
そんな怪物に僕は名前を与えた
「ナキ」と
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