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帰路に着きながら、脳裏に浮かんでくるのは、彼女の哀しげな寝顔と一筋の涙の跡―…
そんな姿を見た瞬間、その涙の跡を拭う様に、自分の指先で彼女の頬に触れてしまっていた。
何が自分をそんな行動に移らせたのかはわからない。
そして、勿論。
こんな最悪な出会いをした彼女が自分にとって、かけがえのない大切な存在になるという事もまだ分からずに―…
年の瀬が近付き、普段よりも一際賑わう繁華街を後にした。
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