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『どうしてる? ^_^;』 エミからのメールだった。エミは同じチームのメンバーだ。 社用携帯は会社からの着信履歴で埋まっていたが、全て無視していた。 ぼくがいなせいで、おそらく「大変なこと」になっているのは容易に想像できる。 おそらく殺伐とした雰囲気で、皆、連絡の取れないぼくを罵っているだろう。 なにせ今日は、顧客への最終プレゼンという大事な日だったから。 エミのメールをもう一度見る。 こんな状況の中で、絵文字を携帯に打ち込んでいるエミの姿を想像した。 ぼくは携帯を閉じてあたりを見渡す。 まだまだ春はだいぶ先だが、穏やかで柔らかい太陽の光が薄い雲の隙間から、あたりを照らしている。
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