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なんていうか...、
さっきの自分の行動とか、つい思い出しちゃって逆にこっちが恥ずかしい。
「...いやその...そーゆーのいいから...もう忘れて?」
「え?忘れるわけないよ、あんな可愛い海璃とか...動画撮っとけばよかった...」
心底後悔しているかのように呟く兄貴だけど。
「いや、いらないから...」
普通にそういう本音。そんなん映像に残されるとか嫌すぎる...ただの痴態じゃん。
「まぁ...映像なんかに残さなくても、俺が一生覚えてるから大丈夫だけど。」
笑って。
「大丈夫って何が?...どこが?俺は全然いらないんだけど、...?お願いだから記憶から抹消して?」
「えー、それは出来ないかな?
もーいっかい、海璃がさっきみたいに可愛く頼んでくれるなら考えるけど、...なーんて、?」
こっちを見て。
「いや無理。なにその仕打ち、...公開処刑じゃん。というか何でそんな楽しげなの、」
「え?もう1回やってくれれば...今度は動画に撮れるかなぁ、って、?」
さらっと何を言ってんだこの兄貴は。
「...ぜったいやんない、
そんなのされるよりは兄貴がただ覚えてる方がまだマシ..」
「うん、そっか?」
単純なのかそうじゃないのか、さっきと違ってなんか、兄貴のペース...のような気が。結局いつもこうなる、
別にいいけど。
「じゃあ、豆も拾い終わったし...下の部屋行って食べる?」
「うんそうだね、?降りよっか、」
切り替えるような俺の言葉に同意すると、二人で兄貴の部屋を出た。
居間へとようやく戻り。
とりあえず拾った豆をテーブルの上へと置くとソファーへと腰掛けて。
...やっと、一段落?っていうか...落ち着いた?
なんというか、無駄に疲れた気がするのは明らかにさっきの出来事のせいだろうと。思わざるを得ないけれど。そんな俺とは対照的に、兄貴はというと早速豆の殻を入れる紙の箱を用意するなりなんだか楽しげ。
...複雑。
「じゃあ食べよっか?」
「え、?...うん。」
「...一瞬聞いてなかったね?海璃いま。」
「...あーっと、そこは気にしない感じで、?」
若干の苦笑いな兄貴の言葉へと、誤魔化すように返したり。
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