節分~夏目家。

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「...あ、それから、毎年思うんだけど...落花生って食べる時、殻ごと数えて"1"なのか、半分に割って、中の豆ひとつずつで"1"って数えるのか迷うんだけど...俺だけかな、?」 「あ、確かに...!大豆だと分かりやすいんだけどねー、まぁでもそれは、自分が食べたい分ってことでどっちでもいいんじゃないかな?」 「そう?...まぁ確かに、おじいちゃんおばあちゃんとかだと食べる数が増えて大変だし...その方がいいのか...」 「うん、そうだね、じゃあ、食べよう?」 そう言って。 お互いにパキパキと、落花生の皮をむきつつ、ふと思って。 「そういえば...兄貴、」 「んー?何?」 作業を止めつつわざわざこっちを見てくれる相手へと。 「ちょっと思ったんだけど、...なんで節分に豆食べるのかなって...疑問?」 「あー、それは、俺も気になって、前に調べたことがあるんだけど...」 少し考える素振りの後、思い出したように。 「んーと...、俺が知ってるのは、 ..."火で炒り、邪気を払った豆の事は『福豆』って呼ばれてて、福を年の数だけ身体に取り入れることで... "次の年も健康で幸せに過ごせますように"と願って。...だけど、 多分他にもいろんな説があるとは思う。」 「...へぇ、そうだったんだ。兄貴すごい。博識...」 純粋にそう思って、兄貴の方を見ていて感心したり。 「前に調べたから覚えていたってだけで...そんな、」 「え?勉強になったし、聞いてよかったなぁって。...陸すごい。」 これぞ、"豆知識"?なんて。 誰かに教えたいなー...とか思わず笑顔。我ながら単純かな、 「っ、...海璃に(褒められるとかなんか照れる)...」 「...へ? 兄貴、なんか言った?」 「...いや、なんでも無いよー?」 考えてたってのもあって、何か言われたような気がしたんだけどちゃんと聞いてなかった、何だろ、? 若干赤い顔してるかのように見えるのは、...俺の気のせいかな。 まぁ、いっか。 そう思って、豆を食べるのを再開して数分。 そういえば、と。 「あ、俺も豆知識的なの、一個あったかも、?」 「え、そうなんだ、 どういうの?」 興味を持ってくれた兄貴へと言うべきか、ちょっと考えてから。
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