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なんて考える。そんな兄貴の言葉をスルーして、食べる事にする。
「…美味い」
「ー!ホント!? 良かった~。ま、海璃の料理には敵わないけどねー、海璃の料理が一番。」
そう言って自分の言葉に頷く兄貴。…俺の事は別にどうでもいいのだが。
素直に"美味しい"って、思える料理だと思う。
本当に、料理は出来るし、気は利くし、いつも笑顔だし…何で彼女出来ないんだ?普通に作れそうなのに。というか早く作って俺から離れてくれないものか。学校行ってる時くらいしか離れる事が無いような…なんて、
「あ!海璃今、俺の事考えてるでしょ、」
「!」
そう言って、兄貴は嬉しそうな顔をする。
「海璃の事見てれば分かる、何か考えてる時、考えてるモノの方、いっつも見てるもん。…自分の事でも、分からなかった?」
「ー…、」
…知らなかった。そうだったのか、ってコトはもしかして昨日の会話も…
―――何で分かった?俺の考えてる事?
―――お前見てれば分かる。結構長い事一緒にいますからね。
大地も知ってたのか?俺の癖…
「……違う人の事考えてる、」
兄貴はそんな事を呟いては、俺の方を恨めしそうに見る。
「は?何でそこまで分か…」
「分かるよ、!俺は海璃の事ずーっと小っちゃい頃から見て来たんだから。今、海璃が考えてた人より付き合い長い、」
そう言い切ると何故か誇らしげな表情。何でそんな所で争っているのか謎である。…というか、俺たち兄弟ってだけで、別にそれ以上の関係がある訳じゃあるまいし、俺が他の奴の事考えてたからって、恨めしそうに見られる意味が分からない。
「兄貴は俺の事…、って学校!」
何だと思ってるんだ、と言う前に壁に掛けられている時計に気づいた。もう学校に行く時間だ、慌てて椅子から立ち上がり、急いで準備を済ませると素早く家を出る。
「いってきます、!」
「ちょ、海璃待っ…―――――!」
兄貴の言葉を聞き終わる前にドアを閉める。後片付けも、全部兄貴に任せて来てしまった事を悪いと思いつつ先を急ぐ。
―――…兄貴、さっき何て言おうとしたんだろ、ま、多分いつもと同じような事だよな?
そう納得して、駅に向かった。
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