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「着いた、」
急いで出て来たかいもあって、意外といつもと大体同じ時間に着いた。やれやれと思いながら玄関へと入る。
…っ、と、靴…
「お!海璃じゃね!? おっはよー!」
「…………。」
「聞ぃーてるー?」
すぐ側まで駆け寄って来るなり背中を叩かれる。
「…痛って、聞こえてる。朝から大声出すなよ…」
「何だよ何だよ、テンション低いなー、寝不足か?」
「朝からそのテンションでいられるお前の方が俺には疑問だ」
「またまたそんな事言うー、今日は楽しい日のハズだろー?」
「は、楽しい日ね…、」
別に"バレンタイン"ってだけでそんな風に考えた事は無かったな、
…ん? バレンタイン? 何か忘れてるような…
「それでー?"チョコ"は!?」
「…あ、! それだ…」
「は?」
俺の一言にきょとんとする大地。
次の一言でどうなるか大体分かり、若干ためらいながらも言う。
「…悪い、家に置いて来た」
「は?」
若干の間。
そして、
「…えぇぇぇぇ江絵えぇっ(°Д°)!!??」
絶叫。
思わず耳を塞ぐ。
…というか何か言葉色々と混ざってたような…
「悪いっ、朝急いで出て来たから、多分部屋に…そのまま…?」
「マジかよっ!!俺今日、"チョコ貰える"っていう事を楽しみに!糧に!やる気に!して学校来たんだぞ?それを何?忘れて来たぁぁあ…!?」
そんな言われても、こっちにだって言い分はある。
「…だから昨日、渡そうとしただろが。俺が覚えてるうちに素直に貰ってくれれば良かったのに…」
「それは昨日言った通りだっての、それに海璃、"分かった"って言ったじゃん!」
「う…」
そこまで言われると反論出来ない、
「うわぁぁー…終わったー…。俺、もう帰ろうかな」
大地はその場にしゃがみ込み、項垂れる。
「…本当に悪かったって、明日でもいいだろ?」
「えぇぇー…、」
そんなに落ち込まなくたって…、
たかがチョコ1個…、
「――…ほら、早く教室行かねーと、」
靴箱を開ける、
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