2.バレンタイン 中編

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「いやいやいや、もういいやめとけ大地、読むの」 「え?何かこの紙以外にも、 "自作小説 Kくん総受け Ocean Love" …とかいうやつ貰ったんだけど…」 ―――…何だその明らかに怪しすぎる言葉の羅列…。 「おい、大地…この事例必要あった?というか初め、何の話してたのか分からなくなって来たんだけど…」 「…とまぁ、こんなワケだよ、海璃が感謝される理由?お前結構な事してんじゃん、紳士的で?恋愛関連助けて?最後のなんてお前がいるだけで目の保養だとさ。小説の手伝いもしてるわけだろ?結果。」 なんて大地は言いながら、さっき手にしていた小説をぱらぱらとめくっている。めくる度に、大地の表情が赤くなったり曇ったりするのは何なんだろうか。終いには勢いよくもっていた小説を閉じる。俺は、そんな大地の様子を不審に思いつつ眺めていると、俺と目があった大地は真っ赤になるやすぐに目を逸らし、落ち着かない。 …コイツは一体何を見たんだろうか。本当に嫌な予感しかしない。 「とまあ!?そういうわけでしゅよ!」 声裏返ってんぞ?なんて思いつつも、 「いや、どれもこれも無自覚だし偶然ばっか…」 「にしても!実際はそうなってんだよ、結論お前はいい奴なの!」 「………。」 ―――…そういうもんなのか? まぁ、コイツが事例まで話し出すくらいだし、よっぽどなんだろう。とりあえず、そういう事にして納得する。 「まぁ、いいけど。…ところで大地、」 「え、何?」 「その小説…「何ニモ聞コエマセーン!!」 「は?」 「小説!? 一体何の事かなぁー?そんなもの初めから存在していなかったと思う!うん絶対!」 ―――いや、そこにあるだろ。お前今読んでただろ 「たかが自作小説だろ?何でそんな…俺にも…」 「ダメ!ダメです!海ちゃんにはまだ早いよ!No read!ダメ、絶対。」 「……」 お前パニくり過ぎて言葉おかしくなってるが。その上海ちゃん呼びかよ。…最後の言葉なんてどこかで見た事ある、某薬物禁止ポスターの台詞だろ。読んでパニックなってた大地に"まだ早い"って言われても… なんて思うが、大地があまりにも必死で止めて来るため、諦める事にする。 …まぁ、別にそこまで読みたいわけでも無いし。 「…分かったから。早く席戻れ、授業始まるぞ?」 「あっホントだ!んじゃあとで!」
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