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「いやいやいや、もういいやめとけ大地、読むの」
「え?何かこの紙以外にも、
"自作小説 Kくん総受け Ocean Love"
…とかいうやつ貰ったんだけど…」
―――…何だその明らかに怪しすぎる言葉の羅列…。
「おい、大地…この事例必要あった?というか初め、何の話してたのか分からなくなって来たんだけど…」
「…とまぁ、こんなワケだよ、海璃が感謝される理由?お前結構な事してんじゃん、紳士的で?恋愛関連助けて?最後のなんてお前がいるだけで目の保養だとさ。小説の手伝いもしてるわけだろ?結果。」
なんて大地は言いながら、さっき手にしていた小説をぱらぱらとめくっている。めくる度に、大地の表情が赤くなったり曇ったりするのは何なんだろうか。終いには勢いよくもっていた小説を閉じる。俺は、そんな大地の様子を不審に思いつつ眺めていると、俺と目があった大地は真っ赤になるやすぐに目を逸らし、落ち着かない。
…コイツは一体何を見たんだろうか。本当に嫌な予感しかしない。
「とまあ!?そういうわけでしゅよ!」
声裏返ってんぞ?なんて思いつつも、
「いや、どれもこれも無自覚だし偶然ばっか…」
「にしても!実際はそうなってんだよ、結論お前はいい奴なの!」
「………。」
―――…そういうもんなのか?
まぁ、コイツが事例まで話し出すくらいだし、よっぽどなんだろう。とりあえず、そういう事にして納得する。
「まぁ、いいけど。…ところで大地、」
「え、何?」
「その小説…「何ニモ聞コエマセーン!!」
「は?」
「小説!? 一体何の事かなぁー?そんなもの初めから存在していなかったと思う!うん絶対!」
―――いや、そこにあるだろ。お前今読んでただろ
「たかが自作小説だろ?何でそんな…俺にも…」
「ダメ!ダメです!海ちゃんにはまだ早いよ!No read!ダメ、絶対。」
「……」
お前パニくり過ぎて言葉おかしくなってるが。その上海ちゃん呼びかよ。…最後の言葉なんてどこかで見た事ある、某薬物禁止ポスターの台詞だろ。読んでパニックなってた大地に"まだ早い"って言われても…
なんて思うが、大地があまりにも必死で止めて来るため、諦める事にする。
…まぁ、別にそこまで読みたいわけでも無いし。
「…分かったから。早く席戻れ、授業始まるぞ?」
「あっホントだ!んじゃあとで!」
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