2.バレンタイン 中編

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「ん?何で分かるのかって?そりゃ分かるさ、海璃ちゃんいっつも少食なんだもの。そんなんだからいつまでたっても細くて小っさいまんまなのよー。もっと食べな、?サービスしとくから」 そう言って笛さんは笑顔でパンを袋に追加する。 「え、ありがとうございます、」 「いっつも買って貰ってるからね、お礼だよ。ついでに今日はバレンタインだっけか?じゃあ、チョコパンもサービス!」 「えぇっ、そんなに貰え…」 「遠慮しなくていーのよ、持って行きなさい?」 断ろうとするも半ば強引に袋を渡され思わず受け取る。 「大地ちゃんと一緒に食べな。あの子にもお礼。いっつも買ってくれるのはいいけどあの子は海璃ちゃんみたいな礼儀がないわよねぇ…」 ―――…礼儀…? さっきまで笑顔だった笛さんだが、多少不機嫌そうな顔で頬杖をつくと、 「あたしの事"笛ばーちゃん"って呼ぶのよ?まだまだおばさんじゃないわよ、海璃ちゃんからも言っといてくれない?全く…」 なんて。 こういう親しみやすさが、笛さんが皆から好かれる理由の一つなんだろうなと思いつつ、 「大地に言っときます、ありがとう笛さん。いただきます」 「いいのいいの。ありがとね、また来て?」 「はい、また。」 そう笑顔で応え、俺は教室へと戻る事にする。 …サービスしてくれるなんてありがたい…、 思わず笑みが零れた。
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