…冷感素材

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◇ 「…って、なって、…?」 「そうか………、 …それで陸。お前の弟が可愛いっていう話と、さっき言ってた言葉の繋がりが今のところ見えないのは俺の気のせいか?」 顎へと指を添え、考えるような素振りを見せていた相手へ、思わず真面目に呟くと、気づいたようにこっちを見て。 「あ、ごめんごめん。気のせいじゃないよ?大事なのはここからでさ、」 「あぁ。…?」 「その、接触冷感の抱き枕が届いてから…なんだけど、ここ最近ずっと暑かったでしょ?」 陸の言葉に思い返してみると。確かにここ数日は毎日気温も湿度も高かったのもあり、ジメジメだとか、ムシムシといったような擬音?言葉、が相応しいような日が続くなとは思っていたが。 「…まぁ確かに、熱中症になりそうな寝苦しさだったような気も…」 「そうなの…、!」 「ー!」 俺の言葉に素早く反応を示した相手に驚くが、陸の続ける言葉は、 「…寝苦しい夜に接触冷感素材の抱き枕なんて、最高の組み合わせっていうか…今の時期はドンピシャだよね」 「まぁ…それはそうだろうな、?」 この蒸し暑さだ。涼しさを求める気持ちは分からなくもない。 「うん。それでね?毎日海璃が…そのクジラの抱き枕を“ぎゅってして寝てるんだけど、…それがもう…さ、 俺の中では、“見てるだけで可愛い”、のと“そのクジラになりたい”の板挟みで……、もし接触冷感してたらあんな風に海璃にくっついてもらえるのになぁ…って思って?」 「…それでその初めの言葉って事か」 「うん、そう。」 話を最後まで聞いてから、やはりどんな時だろうと陸は陸だなとそう思った。本当にブレない。
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