…冷感素材

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「それはまぁ、…そうだな。いつも笑顔な陸もいいが、照れてるのがそんな風に表情に出るのも、…俺とは違って素直なのが好ましいと思ったから、つい。笑みが零れた」 「…~っ、…そんな事を言われるとも思ってなかった。砂衣、それって…普通に?」 「…本心だが?」 俺の言葉に照れからか、口元を手で隠す陸に、 「……そっか、それは…分かったんだけど、砂衣。…ずっとこっち見られてるのはちょっと…、(照れるというか)」 そう言われてから、ずっと陸の顔を見ていた事に、これは無意識だったと今気付く。 「あぁ、すまない。悪気はなかった」 「…うん、俺も別に怒ってるわけでは…無いんだけど、…なんか今日の砂衣は色々と思いがけない事を言うから、いつもと違ってちょっと慣れない、…かも?」 「そうか?…特に思った事しか言っていないが…、まぁ…そのお陰でお前が照れてるところを見れたから良しとするか」 「…~っ、俺の照れてるとこ見たって何にもなんないよね、砂衣?真顔で何言って、…」 赤くなりつつ、ますます混乱しているかのような陸の様子に。流石にからかい過ぎたかと思わず笑って、少し反省したそんな在る日。 Fin.
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