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「うん、その歌詞だけど、調べてみたら、お坊さんの言い伝えを見つけてさ?読んでみたら…、
“降り続く雨に困っていたお殿様が、お経を唱えると必ず晴れることで有名なお坊さんに雨を止ませてほしいとお願いしました。
お坊さんはお殿様の依頼を受け、一生懸命お経を唱えましたが、翌日も雨は止まず降り続きます。
これに腹を立てたお殿様は、お坊さんの首をはねました。
そして、お坊さんの首を白い布に包んで吊るしたところ、翌日には見事な晴天に変わったそうです。”
…っていうのが出てきて。これが歌詞の元になったんじゃないか…って?」
「え、そうなの…?それって、結構な怖さじゃない?」
「うん、俺もそう思う。てるてる坊主、小さい頃は可愛いとだけ思ってたけど色々知ったら意外と奥が深いというか…怖いんだなって、」
「確かにそうだけど、まぁ…、晴れにさえしてくれたら、そんな事しないし、
“金の鈴”、もしくは“甘いお酒をたんと飲ましょ”
…だから、がんばって? てるてる坊主」
作り終わったんだろう、てるてる坊主を眺めるなり。そんな風に真剣に話しかけてる兄貴の様子が傍から見ていておかしくて。思わず笑っちゃうけど。まぁ、俺も首切られるのなんか見たくないし…頑張れ。…な心境?…にしたって、まさかこの歳で、てるてる坊主を応援する事になるとか普通に思ってなかったんだけど。
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