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「えっと…、ちょっと考えるから待って、?」
「へ!?う、うん!それはもちろん、いつまでも待ってる…!!」
俺が返した言葉に、何故か動揺したような反応の後、こっちを見たままで大人しくしている兄貴がなんか…
……“待て”って言われた犬みたいに見えてきて、これはまずいな、と。兄貴から思わず視線を逸らした後、どうにか頭を働かせる。
てるてる坊主、雨…外出…、傘……
「あ。」
「ー…!もしかして何か思いついた?」
ふと顔を上げるなり。俺が何かを言うよりも先に、嬉しそうな表情を浮かべて聞いてくる兄貴の反応には驚きはするものの、思いついたこと。
「…っ、えっ…と…そういえば、?…最近使ってたビニールの傘が壊れたから、新しく折りたたみ傘買いに行こうかなぁ…って、思ってて…」
「…わぁ、それいい!じゃあそうしよう?
…自分も最近、テレビでいろんな傘の特集してたの見たから、役に立てるかも、?」
「あ、ほんと? それなら助かる、ありがと…」
「~っ、どういたしまして…」
「…? 兄貴、顔赤くない、?」
俺の言葉に一瞬。こっちを見たまま固まる兄貴を不自然に思って聞くけれど、
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