節分~夏目家。

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「…そんな風に見られると、海璃上目遣いになってるからなんか照れるよ…?」 「…いちいち照れるなよ、そんな1回1回照れてたら何も出来ないだろ?…そんな事より豆拾って、」 「えー、う…ん、」 兄貴もしゃがんで豆を拾い始める。 下の部屋に撒いた豆を拾い終わると、まだ拾っていない二階へと上がる。 階段、廊下、と拾い、 あとは…俺の部屋と兄貴の部屋だな。そう思い、 自分の部屋に入る。 手際良く拾い終わり、自分の部屋へと戻って行った兄貴の方へ行き、 開いてある扉の前から声をかける。 「兄貴ー、拾い終わった?下の部屋、降りていい?」 「うん…!だいじょーぶ。降りよー」 何だか少し嬉しそうな兄貴が部屋から出て来て。そんな兄貴の様子に、 「…何か、良い事でもあった、?」 問いかけると。 「えーっ…と、ちょっとね?」 ちらりと自分の部屋を見るなり笑顔でそう言った。 …部屋に何かあるとか? そういえば、兄貴の部屋って入った事無いかも。 そう思い、兄貴が扉を閉めようとしたところを遮り、勝手に部屋へと入る。 「うぁ、っえ!?」 「いつも兄貴だって俺の部屋入って来るだろ?別に入ったって…、」 そんな隠すような物、? 部屋へ入って見渡すと、普通に男子にしては綺麗な部屋だ。シンプルで統一感がある。俺の部屋とそんな変わんな… 「…!」 そう思ったのも束の間、俺の部屋とは明らかに違う場所を発見。 窓側にあるデスクはシックでお洒落なのだが、問題はそこの…壁。 コルクのボードに貼られている、沢山の写真。綺麗にピンで止めてある。几帳面に多分、兄貴が書いたんだろう手書きの文字で日にちとかも丁寧に。 普通は色んな思い出あんだろうな、で済むけど、写ってる人物がほぼ、 …………………。 俺。 思わず写真を見たまま、固まる。
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