節分~夏目家。

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冷静な声のトーンで。 「...いつも通りだけど?」 「いやどこが…!」 俺の言葉に即答しつつ、焦ってはいるものの。決して写真を渡そうとはしない兄貴。 これじゃあキリがない。...なんて、思わず呆れたり。 なんでこういう時は、頑固なんだ。 思わずため息をつくと、 「……諦めてくれた?」 そんな兄貴の言葉。 「...いや、今回は諦めてない、」 「えぇぇ...、」 困った顔の兄貴。 ...困ってるのはこっちも同じだっつーの。 兄貴がそんななら、俺だって、 ……いや、本当はこんな行動とかしたくないのが本心なんだけど。 仕方ない...、 少しの間の後、深呼吸。 「...ねー、陸。...お願い、それちょーだい?」 「~ッ...!?かか、か、海璃...!?」 傍にいた陸の顔を見つめると、服の袖を引っ張る。もちろん笑顔で。 「...か、かわい...ぃ...///」 予想通り真っ赤な顔で俺から目を逸らす兄貴へと。 更なる追い討ち、語尾伸ばし。 「ね?...いいでしょ?陸ってばー、」 「...っ、! か、海璃...そんなのどこで覚えてきたの...っ、!?///」 思っていたより効果抜群なようで兄貴の慌てっぷりが尋常じゃないんだけれど... 今は、同情よりも。 「えー、? おしえない、」 「~っ、///」 写真の方が優先だから、そんな返答。 まぁ最近、時々話しかけられたり関わったりするようになった同じクラスの女子に何故だか楽しげに教えられたんだけど、そんなのは言うことでもないかな、って。 「それで...?その写真、俺にくれないの、陸...?」 「~っ...あげない...、」 変わらず赤い顔の兄貴だけど、そこはやっぱり譲れないみたいで。 「...だめ?」 念を押してみても。 「ぅ~...、だ、だめ...」 負けてくれない。 ...予想外のしぶとさ。 「な、なんで...海璃こそ、そんな...?」 「え?...それは、」 勿論。 「...滅したいから?」 さっきの笑顔を浮かべて一言。
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